レーシック手術集団感染事件の発端
銀座眼科の集団感染症が発生した事件は、2008年9月から2009年1月にかけて同医院でレーシック手術を受けた患者の内、約10パーセントにあたる67人が角膜炎などに感染したという事件です。
また、2007年にも同様の感染症が発生していたという報告もあります。
このような事実が表に出た発端は、別の眼科医の通報から、同医院が2009年2月に保健所の立入検査を受けたことから始まりました。すぐに同医院は休診するに至り、同医院と医院長が警視庁による捜査の対象となりました。
2010年12月に銀座眼科の医院長が逮捕され、2011年9月に禁錮2年の実刑判決が言い渡されました。
集団感染の原因
2006年に開業した同医院は、医院長が多額の負債をかかえて利益追求を優先する経営をしたためとされています。レーシック手術にかかる費用を抑えるという目的のために、常識では考えられない行動をとっていました。
①手術に使用する装置の点検を開業以来一度も行わなかったという事情にも関連して、消毒装置の故障により手術器具の消毒が完全でなかった。
②レーシック手術に使う(マイクロケラトームの)刃を交換(普通は一回毎の使い捨て)をしなかった。
③また、手術器具の消毒も意識的にしないということもいわれており(スタッフに消毒しないよう指示、また消毒すべきとのスタッフの忠告を無視)、手術時の手洗いをせず、かつ素手で手術をするなどの医師としての資質を疑われる行動をしていたとされます。
この事件は、医院の手術代金の安さも大きな一因だといわれています。当時の同医院の手術代金は、両眼で95,000円とされていますが、これは周辺の同様のレーシック手術の代金としては最安値だったとされています。
このあたりの代金設定も、いわゆる手術の手抜きに結びついていたのでしょう。
高額な機械購入による借金返済のために、あらゆることをケチった医院長の常軌を逸した行為が招いた人災だとも考えられます。
銀座眼科事件で思うこと
一番問題なのは、この一人のモラルを欠いた医院長のために、レーシック自体がリスクの高い手術だというイメージが少なからずついてしまったことでしょう。
この銀座眼科事件での被害者の方は本当に気の毒ですが、しっかりとした衛生管理のもとで行えば、レーシック自体は安全な手術だということを強調しておきたいと思います。
※開院以来一度も感染症の発生なし。
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